【薬学がわかる】異物の体内動態(ADME)とは?異物代謝(薬物代謝)の大まかな流れについて理解しよう!

異物(栄養素以外のもの)の体内動態(ADME)

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まず初めに、異物が消化管などから血中に入ります(吸収)。
次に、吸収された異物は各組織に運ばれていきます(分布)。
体内に取り込まれた異物を外に出すために水溶性を上げます(代謝)。
最後にその代謝物は尿や胆汁などから体の外へ出されます(排泄)。

 

このような流れで、吸収、分布、代謝、排泄が行われていきます。つまり、異物の体内動態を大まかに見ると、吸収されたときは脂溶性だった異物を、代謝することで水溶性に変えて排泄していくと見ることができます。

 

 

異物の代謝機構

吸収された異物の水溶性を上げること。これが代謝機構の働きです。一般的に、体内で代謝され水溶性となった代謝物は、毒性を失います。
しかし、異物が代謝される過程で化学的に不安定になり、毒性や発癌性をを持つ活性代謝物になることもあります。

 

つまり、異物の代謝機構には、薬物代謝酵素による異物の解毒という面と代謝活性化という毒性発現という2つの面があります。
このような代謝の過程には大きく分けて2段階あり、第Ⅰ相反応(酸化、還元、加水分解)と第Ⅱ相反応(抱合反応)があります。

 

 

異物代謝(薬物代謝)の大まかな流れ
第Ⅰ相反応

はじめに、脂溶性である異物を酸化、還元、加水分解といった反応を起こし官能基(-OH、-NH2、-COOHなど)がくっつきます。これによって少し水溶性が上がります。これではまだ水溶性が低く排泄されにくいので、その次に第Ⅱ相反応によって、さらに水溶性を上げます。

 

第Ⅱ相反応

このとき水溶性原子団という水の塊のようなものがくっつきます(抱合する)。これによって水溶性がぐっと上がり排泄することができるようになります。

 

次にこの反応が起きるときに使われる酵素について見ていきます。
まず、第Ⅰ相反応の時の酸化反応を担うのがシトクロムP450と呼ばれる酵素です。第二相反応の抱合反応を担うものはトランスフェラーゼと呼ばれる酵素です。まずは、これらの酵素がどちらの反応を触媒しているのか、わかるようになりましょう。
薬物代謝

 

次に、これらの反応は一般に肝臓で起こっています。国試では肝臓のどの場所で、つまり肝臓のどの部分でどんな反応が起こっているのかが問われてきますので、それを見ていきましょう。

 

薬物代謝部位

肝臓をそれぞれの分画に分けていくために遠心分離を行います。
細胞分画
まず初めに肝ラットホモジネートというものを用意します。これは肝臓の必要な部分を集めたものと思えばよいです。これを遠心分離にかけていくのですが、重たいものが順に沈んでいきます。

 

1回目の遠心分離
初めに核が沈んでいきます。

 

2回目の遠心分離
その次に、ミトコンドリアが沈んでいきます。このミトコンドリアには、お酒の代謝に必要なアルデヒドデヒドロゲナーゼやグリシン抱合に必要なグリシン-N-アシラーゼを含んでいます。

 

3回目の遠心分離
さらに遠心分離をしていくとミクロソーム(小胞体)と呼ばれるものと可溶性画分(細胞質)とに分離されます。
ミクロソーム画分にはシトクロムP450が含まれています。つまり、第Ⅰ相反応のほとんどがミクロソームで行われています。
また、グルクロン酸抱合を担うUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼと呼ばれる酵素も含まれています。
可溶性画分には、アルコールデヒドロゲナーゼグルタチオン S-トランスフェラーゼなどが含まれています。

 

代謝反応

酵素名

酵素が存在する細胞分画

 

           

第Ⅰ相

反応

 

 

 

酸化

シトクロムP450

ミクロソーム

酸化

フラビン含有モノオキシダーゼ

ミクロソーム

酸化

アルコールデヒドロゲナーゼ

可溶性

酸化

アルデヒドデヒドロゲナーゼ

ミトコンドリア

加水分解

エポキシドヒドラーゼ

ミクロソーム、可溶性

 

 

第Ⅱ相

反応

 

 

グルクロン酸抱合

UDP-グルクロノシル

トランスフェラーゼ

ミクロソーム

硫酸抱合

スルホトランスフェラーゼ

可溶性

アセチル抱合

N-アセチルトランスフェラーゼ

可溶性

グリシン抱合

グリシン-N-アシラーゼ

ミトコンドリア

グルタチオン抱合

グルタチオン-S-

トランスフェラーゼ

可溶性

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • ADMEについて
  • 第Ⅰ相反応についてのイメージを理解する
  • 第Ⅱ相反応についてのイメージを理解する
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