【薬学がわかる】第99回薬剤師国家試験過去問解説 問16~問25 衛生

第99回薬剤師国家試験過去問解説 問16 ~ 問25 衛生

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必須問題 【衛生】

 

問16 ヒトの必須アミノ酸はどれか。1つ選べ。
1 L-プロリン
2 L-グルタミン
3 L-セリン
4 L-アスパラギン
5 L-リシン

 

【解説】

必須アミノ酸について

私たちの体を構成している主なアミノ酸は20種類です。この20種類のアミノ酸は、大きく2つに分けることができます。それは、私たちの体の中でつくることができない必須アミノ酸と、体の中でつくることができる非必須アミノ酸です。必須アミノ酸は体内で合成されない、もしくは合成できたとしても必要量に満たないため、必ず食事から摂取する必要があります。9種類のアミノ酸がありますので、確実に覚えておきましょう!(バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン、フェニルアラミン、トリプトファン、リシン、ヒスチジン

 

以上より、5 L-リシン が答えです。

 

 

 

 

問17 保存料として使用されている食品添加物はどれか。1つ選べ。
1 過酸化水素
2 ジフェニル
3 高度サラシ粉
4 エリソルビン酸
5 安息香酸

 

【解説】
過酸化水素  : 殺菌料
ジフェニル  : 防かび剤
高度サラシ粉 : 殺菌料
エリソルビン酸 : 酸化防止剤
安息香酸    : 保存料 

 

以上より、 5 安息香酸 が答えです。

 

 

【参考】

酸性保存料と中性保存料

酸性保存料 : 安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、プロピオン酸およびこれらの塩類は、食品のpHが酸性であるとき、静菌作用が強くなります。
中性保存料 : パラオキシ安息香酸エステル類は、pHに影響されず、中性でも効力を発揮します。

 

酸性保存料
①安息香酸、安息香酸Na
特に酵母の発育阻止作用が強いです。

 

②ソルビン酸、ソルビン酸K
幅広い抗菌作用を示し、β酸化により分解されるので安全性が高く、多くの食品に使用が許可されています。

 

③デヒドロ酢酸Na
デヒドロ酢酸は1991年に指定削除されました。

 

④プロピオン酸、プロピオン酸Ca、プロピオン酸Na

 

中性保存料
①パラオキシ安息香酸エステル類
メチルエステル(炭素1つ)は許可されていません。エステル部分の炭素数が大きいほど抗菌作用が強くなります。

 

 

 

 

問18 我が国の死亡統計において、1985年以降緩やかな上昇傾向を示している指標はどれか。1つ選べ。
1 妊産婦死亡率
2 周産期死亡率
3 乳児死亡率
4 粗死亡率
5 年齢調整死亡率

 

【解説】
私の考え方としては、医療が進歩している現在において、死亡率は減少していると思います。それぞれ見ていくと、妊婦や乳児の死亡率は減少傾向にあるだろうと考えることができます。そのため、答えは4か5だろうと予想できます。
次に、4と5の違いについて見ていきます。

 

粗死亡率

以下の式で求めることができます。
 死亡率(粗死亡率)=死亡数/人口 × 1000
一般的に平均寿命が長ければ死亡率は低くなるはずですが、高齢化が進むことで死亡率が上昇します。考え方としては、高齢者の割合が増えているので死亡数も増える傾向にありますが、人口はそれほど増えていない。そのため、わが国では1983年頃から人口の高齢化に伴って緩やかな上昇傾向となっています。

 

死亡状況は年齢により差があるため(高齢者が多い方が一般的に死亡率は上がる)、対象とする人口の年齢構成によって死亡率は大きく影響されてしまいます。そのため、年齢構成の異なる人口集団を比較する場合には、年齢構成を補正した年齢調整死亡率の方が適しています。それが、年齢調整死亡率です。

年齢調整死亡率

年齢構成による影響を無くすために、一定の年齢構成の人口を規準人口として用い、これに一致するように年齢構成を補正し、死亡率を求めたものです。基準人口には昭和60年モデル人口を用います。
年齢調整死亡率の年次推移をみると、年々低下してきており、年齢構成の影響を調整した死亡率は改善されてきています。

 

以上より、4 粗死亡率 が答えです。

 

【参考】
その他の指標
年少人口 : 0~14歳
生産年齢人口 : 15~64歳
老年人口 : 65歳以上

 

50歳以上死亡割合(PMI)
PMI(%)=50歳以上死亡率/全死亡率 × 100
PMIが高ければ健康水準が高いと考えることができます。

 

乳児:生後1年未満
新生児:生後4週未満
早期新生児:生後1週未満
周産期:妊娠満22週以後(妊娠後期)+生後1週未満(早期新生児)
死産:妊娠満12週以後の死児の出産
妊産婦:妊娠中又は分娩後42日未満における女性

 

 

 

 

問19感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)において二類感染症に指定されているのはどれか。1つ選べ。
1 結核
2 風しん
3 ペスト
4 コレラ
5 細菌性赤痢

 

【解説】
感染症法の感染症類型をそれぞれ覚えておく必要があります。
1結核は、二類感染症
2風しんは、五類感染症の全数調査疾病に指定
3ペストは、一類感染症
4コレラは、三類感染症
5細菌性赤痢は、三類感染症

 

これは、何度も類門を解いてみたり、分類表をきっちり頭に入れるなどしておく必要があります。覚えていれば必ず得点できるので、きっちり把握しておきましょう。

 

以上より、1 結核 が答えです。

 

 

 

 

問20 塩素消毒に強い抵抗性を示す病原体はどれか。1つ選べ。
1 インフルエンザウイルス
2 レジオネラ属菌
3 大腸菌
4 クリプトスポリジウム
5 赤痢菌

 

【解説】
クリプトスポリジウムは、通常の塩素消毒では死滅しない塩素抵抗性の原虫です。腸管に寄生し、腸管の微絨毛に侵入して増殖し、激しい下痢を引き起こします。殻のようなオーシストを形成することで、塩素消毒に強い抵抗性を示します。しかし加熱には弱いので、煮沸することで死滅します。

 

以上より、4 クリプトスポリジウム が答えです。

 

 

 

 

問21化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)によって規制されている第一種特定化学物質はどれか。1つ選べ。
1 塩化トリフェニルスズ
2 トリクロロエチレン
3 ポリ塩化ビフェニル
4 ポリ塩化ジベンゾフラン
5 ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン

 

【解説】
塩化トリフェニルスズ、トリクロロエチレンは第二種特定化学物質に指定されています。
ポリ塩化ビフェニルは、第一種特定化学物質に指定されています。
ポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシンは非意図的生成物であり、化審法の規制対象ではありません。

 

以上より、3 ポリ塩化ビフェニル が答えです。

 

 

 

 

問22 生体への影響を考慮した電離放射線の実効線量の単位はどれか。1つ選べ。
1 クーロン
2 グレイ
3 シーベルト
4 ベクレル
5 カンデラ

 

【解説】
1 クーロンは照射線量の単位(C / kg)のことです。X線やγ線が空気を電離する能力を表す時に用います。
2 グレイ(Gy)は、吸収線量の単位です。物質が放射線のエネルギーをどれだけ吸収したかを表すときに用います。
3 シーベルト(Sv)は実効線量の単位です。放射線被爆による個人の確率的影響のリスクの程度を表します。
4 ベクレル(Bq)は、放射能の強さを表す単位です。放射性物質が1秒間に崩壊する原子数を表します。
5 カンデラ(cd)は、光の強さを表す単位です。

 

以上より、3 シーベルト が答えです。

 

 

 

 

問23 水道水の総硬度を測定する試験法はどれか。1つ選べ。
1 ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法
2 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法(エリオクロムブラックT法)
3 インドフェノール法
4 硝酸銀滴定法(モール法)
5 オルトフェナントロリン法

 

【解説】
1 残留塩素の測定法です。
【参考】
残留塩素は分解しやすいので、採取後直ちに測定する必要があります。
ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法
 この測定法のポイントとして押さえておくべきポイント2点!
 ①DPDは遊離型とのみ反応する。
 ②ヨウ化カリウム(KI)を用いると、結合型が遊離型に変換される。

 

2 総硬度の測定法です。
【参考】
硬度とは、水中のCa²⁺とMg²⁺の量を、これに対応した炭酸カルシウム(CaCO₃)の量 (mg / L) で表したものです。
総硬度 = 永久硬度 + 一時硬度
総硬度 ≒ カルシウム (mg / L) × 2.5 + マグネシウム  (mg / L) × 4.1

 

永久硬度:Ca及びMgの硫酸塩、硝酸塩、塩化物のような煮沸によって沈殿しないCa²⁺及びMg²⁺の量をCaCO₃の量 (mg/L)で表したものです。
一時硬度:Ca及びMgの炭酸水素塩のような煮沸によって沈殿するCa²⁺及びMg²⁺の量をCaCO₃の量 (mg /L)で表したものです。

 

3 アンモニア性窒素の測定法です。
4 塩化物イオンの測定法です。
5 鉄の定量法です。

 

以上より、2 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法(エリオクロムブラックT法)が答えです。

 

 

 

 

問24 自然大気に占める体積比(%)の大きさの順序を正しく表示しているのはどれか。1つ選べ。
1 二酸化炭素>メタン>アルゴン
2 二酸化炭素>アルゴン>メタン
3 メタン>二酸化炭素>アルゴン
4 アルゴン>二酸化炭素>メタン
5 アルゴン>メタン>二酸化炭素

 

【解説】
空気中の成分で多いものから4つ覚えておくことで、だいたいの問題は解けるようになります。
窒素(78%)、酸素(21%)、アルゴン(0.93%)、二酸化炭素(0.03~0.04%)

 

メタンについては覚えていなくても、上記の4つを覚えておけば答えはわかりますよね。絶対に覚えておかなければならないことを、しっかり確認しておきましょう。

 

以上より、4 アルゴン>二酸化炭素>メタン が答えです。

 

 

 

 

問25 シロアリ駆除剤として建材に用いられ、シックハウス症候群の原因物質の1つとされた化学物質はどれか。1つ選べ。
1 パラジクロロベンゼン
2 フタル酸ジ-n-ブチル
3 アセトアルデヒド
4 ホルムアルデヒド
5 クロルピリホス

 

 

【解説】 
シックハウス症候群の主な原因として考えられているものに、以下のものがありますので、しっかり確認しておきましょう。
①家具などの接着剤として使用されるホルムアルデヒド
②シロアリ駆除剤のクロルピリホス
③衣類の防虫剤などに使用されるパラジクロロベンゼン
④一部のVOC(揮発性有機化合物):トルエンやキシレンなど

 

また、フタル酸ジ-n-ブチルは、主に塗料、顔料、接着剤に用いられます。アセトアルデヒドは、主に防かび剤、溶剤に用いられます。

 

以上より、 5 クロルピリホス が答えです。

 

関連ページ

シックハウス症候群についてはこちらのページで詳しく説明しています。
室内環境と健康との関係

 

 

 

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