肺癌の病態、診断、治療について

肺癌の病態生理

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肺癌の概念

気管支、気管支腺、肺胞上皮から発生する悪性腫瘍です。
現在、男女ともに、とても増えている疾患です。特に男性に多く発症していて、癌での死亡原因の第1位です。

 

肺癌の成因

肺がんの最大の原因は喫煙です。たばこの成分の中にはニコチンが含まれていて、ニコチンは代謝の過程で発がん性の高い物質に変換されます。これによって肺癌が誘発されます。
ただし、喫煙がすべての肺がんに関わっているのではなく、扁平上皮癌と小細胞癌と関連が深いとされています。

 

組織学的分類
肺癌は、組織型の違いにより発生する部位や転移の仕方、抗がん剤や放射線治療に対する反応などが大きく異なるため、それぞれの特徴の違いをよく理解しておく必要があります。

 

大きく3つの型に分けられます
①腺上皮に由来する腺癌
②扁平上皮に由来する扁平上皮癌
③未分化な未分化細胞癌
さらに未分化細胞癌は、その形態の違いから大細胞癌と小細胞癌とに分けられます。

 

この腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌の4つの型で肺癌の約90%を占めます。
また、小細胞癌は他の肺癌と性質が大きく異なるので、小細胞癌非小細胞肺癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)とに分ける考え方もあります。

 

扁平上皮癌と小細胞癌は気管支の中央に好発し、腺癌は末梢に好発します。
症状として扁平上皮癌や小細胞癌は、気管支を刺激するため、早期から咳がみられます。
一方、腺癌は胸膜を刺激するため、胸痛の症状が現れてきます。

 

 

肺は血管やリンパ管がたくさん通っている臓器であるため、多臓器に転移しやすいです。また、肺は呼吸によって伸縮しているため、その振動によって癌細胞が剥がれ落ちやすく、これも転移しやすいことの理由として考えられます。脳や骨への転移が多く、意識障害などの症状が現れます。

 

 

肺癌の検査・診断

肺癌は予後が悪い癌であるため、早期の発見が大切になります。

 

検査としては、単純X線検査、胸部CT検査などが行われます。また、血液検査で、癌腫マーカーも利用されます。ただし、確定診断は生検(病理組織検査)で行います。

 

組織型と腫瘍マーカー
扁平上皮癌
扁平上皮癌関連抗原(squamous cell carcinoma-related antigen : SCC
サイトケラチン19フラグメント(CYFRA

 

腺癌
シアリルSSEA-1抗原(SLX

 

小細胞癌
神経特異エノラーゼ(neuron-specific enolase : NSE

 

肺癌の治療

肺癌は、小細胞癌と非小細胞肺癌で治療方法が大きく異なります。

 

小細胞癌は、増殖スピードが非常に速いため、化学療法や放射線療法に対する反応が良く、主にこれらを使用していきます。

 

一方、非小細胞肺癌では、増殖スピードは比較的遅く、化学療法や放射線療法の反応が悪いため、主に外科的な治療を行っていきます。

 

①小細胞癌
薬物治療が第一選択であり、シスプラチンとイリノテカンの併用(IP療法)が標準的に用いられます。また、併せて放射線療法も行います。

 

②非小細胞肺癌
第一選択は外科的治療です。ただし、再発した場合や手術ができない場合では化学療法が用いられます。

 

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 肺癌の概念
  • 小細胞癌と非小細胞肺癌の違いについて

 

以上、肺癌の病態生理についての説明でした。

 

少しでも役立つ情報であったならうれしいです。

 

以下に、呼吸器・胸部の疾患に関する疾患についての関連ページがありますので、気になる点は確認しておきましょう!

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