肺結核の病態、診断、治療について

肺結核の病態生理

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肺結核の概念

ヒト型結核菌の飛沫核感染(空気感染)によって発症します。

 

大人の人で発症する場合、ほとんどは免疫力が低下しているときに起こります。免疫力低下の原因として挙げられるのは、高齢者、糖尿病患者、副腎皮質ステロイド薬の投与などがあります。

 

参考)
飛沫核とは、5μm以下の小さな粒子で、空気中を長い間漂っています。

 

 

肺結核の症状

結核菌は弱毒菌であるため、ほとんどの人は症状がないことが多いです(不顕性感染)。症状が現れた時には、咳・痰、発熱、倦怠感などが起こり、2週間以上続くのが特徴となります。

 

 

肺結核の検査・診断

X線検査、ツベルクリン反応、塗抹染色検査などを行います。

 

ツベルクリン反応は、遅延型アレルギー反応(Ⅳ型アレルギー)を応用した診断方法です。
その原理は、ツベルクリン(結核抗原)を注射すると、その部位にリンパ球が血流に乗ってやってきます。リンパ球がやってくると抗原と反応を起こします。その結果、リンパ球からリンフォカイン(サイトカインの一種)が産生されます。そうすると、注射部位にマクロファージも集まってくるため、発赤などの炎症反応が生じます。この時の紅斑の大きさで判定します。
ただし、ツベルクリンは、結核の既往や不顕性感染の有無を調べる検査であって、現在の発症の有無はわかりません。

 

染色法では、Ziehl-Neelsen 染色によって染色し、結核菌の数を数え、その結果をガフキー(Gaffky)号数で表示し、判定します。

 

ポイント
ツベルクリン反応はⅣ型アレルギーで起きると確認しました。これを言い換えると、抗体(体液性免疫)は関与しないということです。Ⅳ型では、T細胞やマクロファージといった細胞性免疫のみが関与していたことを思い出しておきましょう。問題で、「ツベルクリン反応は抗体を利用した試験方法である」などと聞かれる可能性もありますので注意しましょう。

 

肺結核の治療

肺結核の治療は、耐性菌の出現を防止するために、少なくとも3剤以上組み合わせた多剤併用療法を行います。一般的にはイソニアジド、リファンピシンを中心にすることが多いです。

 

化学療法は最短でも6か月間は継続して行います。しっかり毎日服用することが大切になるため、最近では服薬コンプライアンスを向上させるために、患者の服薬を医療従事者が直接確認するDOTS(直接監視下短期化学療法)が行われています。結核治療は長期間にわたって行われるため、投与される薬剤の副作用にも注意が必要となります。

 

治療薬と注意すべき副作用
イソニアジド
末梢神経炎(ビタミンB6の欠乏が原因)、肝障害

 

リファンピシン
肝障害、CYP・p-糖タンパク質などの誘導→併用薬の作用低下

 

ストレプトマイシン
聴力障害、第Ⅷ脳神経障害

 

エタンブトール
視力障害

 

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 肺結核の概念
  • ツベルクリン反応について
  • 治療薬の副作用

 

以上、肺結核の病態生理についての説明でした。

 

少しでも役立つ情報であったならうれしいです。

 

以下に、呼吸器・胸部の疾患に関する疾患についての関連ページがありますので、気になる点は確認しておきましょう!

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