C型肝炎(急性・慢性)の病態、診断、治療について

C型肝炎(急性・慢性)の病態生理

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概念

C型肝炎ウイルス(HCv)に感染することで生じる肝炎です。主に血液を介して感染します。

 

症状はA型、B型に比べると比較的軽症にとどまり、約30%は無症状です。一方、後の70%で高率に慢性化するのが特徴で、肝硬変、肝癌へと移行します(最も慢性化しやすい)。

 

C型肝炎が約20年続くと、8割が肝癌を発症します。C型肝炎にはいくつかのジェノタイプがあり、わが国ではジェノタイプⅡ型(1b)が70%を占めます。

 

参考)C型肝炎ウイルスのジェノタイプ
HCvは変異しやすく、様々なジェノタイプが存在し、現在6型に分類されています。遺伝子型として、Ⅰ型(1a)やⅡ型(1b)、Ⅲ型(2a)、Ⅳ型(2b)などがあります。日本ではこのうちⅡ型(1b)が約70%と一番多く、この型はインターフェロンが効きにくいという特徴があります。

 

 

感染経路

血液・体液感染が考えられますが、多くは血液による感染です。主に水平感染で、B型に比べ垂直感染は少ないです。

 

感染経路の例として以下のものがあります。
①覚せい剤を打つなど注射器の使いまわし
②入れ墨を彫る
③十分に消毒されていない器具を使ってピアスの穴をあける
④母子感染(低確率)
⑤性行為(低確率)

 

 

経過

症状はほとんど無く、発症時期は不明確なことが多いです。A型、B型と違い中和抗体が産生されないため、慢性化しやすいです。自然治癒することもありますが、慢性化率は高いです(40~70%)。

 

検査

診断は、HCV抗体HCV-RNAの検出により行います。

 

HCV抗体が検出されるまでに発症後2~6ヶ月ほどかかるため、初期の診断にはあまり役立ちません。

 

一方、HCV-RNAは発症初期から陽性なので、早期の診断に有用です。

 

AST、ALTは、軽度に上昇し、AST<ALTであることが多いです。一度値が下降した後、再上昇をくり返すことがあり、これを『ALTの多峰性変化』といいます。

 

 

診断

血液検査により、HCV抗体、HCV-RNAなどが持続して陽性であることで診断されます。

 

C型肝炎ウイルスマーカーの臨床的意義

HCV抗体
HCVに感染している可能性を評価する。

 

HCV-RNAの定性
C型肝炎の確定診断に用いる。

 

HCV遺伝子型
ウイルスの遺伝子型により治療法を決定します。

 

急性C型肝炎の治療

急性C型肝炎では、慢性化の防止と肝硬変、肝癌への移行を防止することが目標となります。インターフェロンで慢性化への進展を防止します。その他、肝庇護薬や胆石溶解薬を用いるのは、A型、B型の時と同じです。

 

慢性C型肝炎の治療

治療の目的は、ウイルスを排除することで、肝炎の鎮静化と肝硬変、肝癌への進展防止です。

 

血中ウイルス量が多い場合の第一選択薬は、ぺグインターフェロンとリバビリンの併用療法です。ペグインターフェロン+リバビリン療法にテラプレビルやシメプレビルを併用する3剤併用療法をする場合もあります。

 

治療薬

インターフェロン製剤(ペグ化インターフェロン)
ペグ化インターフェロン(IFN)とは、IFNにポリエチレングリコール(PEG)をくっつけて、体内での作用時間を延長したものです。

 

抗ウイルス薬(リバビリン、テラプレビル、シメプレビル)
リバビリンは単独投与では無効です。必ずIFNなどと併用で用いる必要があります。リバビリンの副作用として貧血がありますので、定期的なヘモグロビン濃度の測定が必要となります。抗ウイルス薬は、催奇形性があるので妊婦への投与は禁忌となります。

 

 

その他肝臓に関する用語について

脂肪肝

肝細胞内に脂肪が過剰に蓄積している状態です。

 

原因として挙げられるのが暴飲暴食、アルコールの多飲などです。メタボリックシンドロームの人は脂肪肝であることが多いです。治療としては、食事療法・運動療法など生活習慣の改善が第一です。

 

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

脂肪肝が重症化して肝炎を起こした肝疾患です。

 

アルコールなど飲酒をほとんどしていないにも関わらず、アルコール性肝炎に似た症状がみられます(インスリン抵抗性による高インスリン血症が特徴的です)。

 

治療としては、食事療法・運動療法など生活習慣の改善による内臓脂肪の除去が最も有効とされています。また、糖尿病や脂質異常症などの合併症の治療も併せて行います。

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • C型肝炎(急性・慢性)の概念について
  • B型肝炎との違いについて

 

以上、C型肝炎(急性・慢性)の病態生理についての説明でした。

 

少しでも役立つ情報であったならうれしいです。

 

以下に、肝臓に関する疾患についての関連ページがありますので、気になる点は確認しておきましょう!

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