クローン病の病態、診断、治療について

クローン病の病態生理

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概念

好発年齢は20歳代の若年者で、口腔にはじまり肛門にいたるまでの全消化管に炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起きます。

 

小腸の末端部(回腸、盲腸)が好発部位で、非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)が特徴的です(飛び石様病変)。 病変により腹痛や下痢、血便、体重減少などを生じます。粘膜が弱くなっているため、がん化しやすいです。

 

 

原因

発症する原因は不明です。遺伝的な要因を有する人が、何らかの刺激を受けることで、免疫異常が起きると考えられます。

 

また、結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染で発症するという説、食事中の何らかの成分が腸管粘膜に異常な反応を起こしているという説、腸管の微小な血管の血流障害による説なども挙げられていますが、いずれもはっきりと証明されていません。

 

 

診断

症状や血液検査の異常からクローン病を疑い、画像検査にて特徴的な所見が認められた場合に診断されます。画像検査としては主に大腸内視鏡検査や、X線などが行われます。口腔内の観察も潰瘍性大腸炎との鑑別に有用です。

 

CDAI(クローン病活動指数)スコアというものがあり、下痢・軟便の回数、腹痛、一般状態、合併症の有無、止痢薬の使用状況、腹部腫瘤の有無、貧血の状態、体重の8項目からなっておりスコアを算出します。
~150  非活動期
150~ 450 活動期
451~ 非常に重症 の3つに分類されます。

 

 

治療方針

クローン病(CD)の基本的な治療方法は、できるだけ早期に寛解導入して、その後の再燃を予防するために寛解維持を行うことです。

 

治療としては、薬物療法と栄養療法などの内科的治療と、外科的治療があります。

 

 

薬物治療

ステロイド性抗炎症薬

プレドニゾロンなど

 

メサラジン(5-アミノサリチル酸)

エチルセルロースでコーティングされており、小腸・大腸で放出されるように設計されています。炎症細胞から放出される活性酸素を消去します。

 

抗TNFα抗体

インフリキシマブ、アダリムマブ

 

栄養療法

経腸成分栄養と中心静脈栄養を用います。

 

経腸成分栄養の場合、使用される栄養剤は低脂肪なものにし、タンパク質や脂肪をほとんど含まないものを使用します。これはタンパク質や脂肪が刺激となり、クローン病(CD)の悪化を促進する可能性があるためです。そのため、抗原性を示さないアミノ酸を基本とする栄養剤が用いられます。

 

 

ここで潰瘍性大腸炎とクローン病の共通点・相違点についてまとめておきます。

潰瘍性大腸炎とクローン病の主な共通点

消化管に炎症が生じる。
血便・下痢・便回数の増加・発熱などの症状。
病気の原因が不明で、寛解と再燃を繰り返すことが多く、根治療法がない。
若年層の発症が多く、近年増加傾向にある。

 

潰瘍性大腸炎とクローン 病の主な相違点

潰瘍性大腸炎は大腸に炎症が生じるが、クローン病は口から肛門までの全ての消化管に炎症が生じる場合がある。
潰瘍性大腸炎は潰瘍が比較的浅く、クローン病は潰瘍が比較的深い
潰瘍性大腸炎は肛門側から連続して炎症や潰瘍、びまんが発生し、クローン病は非連続で発生する。
潰瘍性大腸炎での患者比率に男女差はないが、クローン病は2:1で男性が多い

 

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • クローン病の概念
  • 潰瘍性大腸炎とクローン病の共通点・相違点について

 

以上、クローン病についての説明でした。

 

少しでも役立つ情報であったならうれしいです。

 

以下に、消化器系疾患についての関連ページがありますので、気になる点は確認しておきましょう!

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