播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態、診断、治療について

播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態生理

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播種性血管内凝固症候群(DIC)の概念

悪性腫瘍や急性前骨髄球性白血病などの基礎疾患、薬剤などによって、血液凝固系や血小板系の活性化が起こり、全身に血栓が形成される疾患です。

 

血栓が大量に形成された後、凝固因子や血小板が大量に消費され少なくなるため、2次的に線溶系が亢進してきて、出血が起きます。

 

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)の成因

DICの基礎疾患は、急性前骨髄球性白血病や悪性腫瘍が最も多く、このほか、敗血症や胎盤早期剥離や劇症肝炎、熱傷、外傷などがあります。原因薬剤としては、アシクロビル、インドメタシンナトリウム注射剤、ドセタキセルなどがあります。

 

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)の症状

血栓ができることによる循環不全、線溶系亢進による出血症状、その他に多臓器不全などが現れます。ただし、これらの症状がみられた時には予後不良であるため、症状がみられない早期の間に治療を開始することが重要です。

 

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態生理

①基礎疾患により、血小板・凝固因子の活性化が起こります。全身に血栓ができるため、循環障害による多臓器不全を起こします。

 

②①で多量の血小板や凝固因子が消費されるため、凝固系因子がなくなり、出血症状がみられてきます。

 

③全身にできた血栓を溶かそうと、線溶系が亢進し、さらなる出血症状が起きる。

 

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)の検査・診断

血小板数(PLT)
血小板が大量に使用されるため、減少します。

 

出血時間
出血時間は血小板数を反映します。少ないとなかなか血が止まらない状態です。つまり、播種性血管内凝固症候群(DIC)では血小板数が減少してくるため、出血時間は延長します。

 

また、外因系・内因系、共通凝固系などの凝固因子が大量に消費されるため、PT・APTTの延長がみられます。

 

凝固系・線溶系の亢進によって、フィブリン・フィブリノーゲン分解産物(FDP)が増加します。

 

参考)フィブリン・フィブリノーゲン分解産物(FDP)が増える理由
血液を固める作用のあるフィブリンは、プラスミンという酵素によって分解されます。このとき分解されたフィブリンの分解産物をFDPといいます。つまり、血栓の分解が起こるとFDPができてくるわけです。言い換えると、線溶系が亢進によってFDPは増加します。

 

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療

第一に行うことは、基礎疾患の治療です。

 

DICは、体内で凝固活性化が起こり発症するため、それを防止するために、ヘパリン(抗凝固薬)の投与を行います。また、タンパク分解酵素阻害薬であるガベキサートやナファモスタットを投与し、凝固系、線溶系を抑制します。

 

参考)ガベキサートやナファモスタットが凝固系、線溶系の両方を抑制する理由
内因系・外因系、共通系といった血液凝固系や線溶系は、なんの反応で進行しているか知っているでしょうか?

 

答えは、タンパク分解反応によって進行しています。簡単なことで、凝固系、線溶系はタンパク分解反応によって進行しているため、タンパク分解酵素阻害薬であるガベキサートやナファモスタットがその両方を抑制することができるのです。

 

抗凝固薬(ヘパリンナトリウム)
ATⅢ(アンチトロンビンⅢ)を活性化することで抗凝固作用を示します。

 

DIC患者では、凝固系の亢進によってATⅢの活性が低下していることが多いため、ATⅢ製剤を併用することが多いです。

 

タンパク分解酵素阻害薬(ガベキサート、ナファモスタット)
抗トロンビン作用 + 線溶系の阻害
半減期が短いので、持続的に点滴静注して用います。

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 播種性血管内凝固症候群(DIC)の概念
  • DICの基礎疾患について
  • 治療方法の考え方

 

以上、播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態生理についての説明でした。

 

少しでも役立つ情報であったならうれしいです。

 

以下に、血液系に関する疾患についての関連ページがありますので、気になる点は確認しておきましょう!

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