非撹拌水層の考え方

非撹拌水層

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腸管の表面付近には、非撹拌水層と呼ばれる水の層があると考えられています。この層があることによって、薬物の吸収に影響を及ぼす可能性があります。

 

例えば、薬物が小腸から吸収される際、脂溶性が高いほど吸収率が良いと考えられます。しかし、その前に非拡散水層を通過するところで大きな影響を受けます。(脂溶性が高いほど、水の層を通過しにくい)

 

そのため、薬物の腸管吸収の過程を考える場合、非拡散水層の通過消化管上皮細胞の通過の2つを考慮に入れる必要があります。
非撹拌水層
脂溶性薬剤の拡散の場合、非撹拌水層が律速段階となります。一方、水溶性薬剤の拡散の場合は、細胞膜通過が律速段階となります。

 

参考)非撹拌水層付近の特徴
微絨毛の先端に、負に帯電した糖タンパク質からなる網目構造をもったグリコカリックスが存在しています。

 

その他、消化管管腔側にはNa⁺/H⁺逆輸送系が存在し、非撹拌水層内にH⁺が滞留しているため、その領域は弱酸性となっています。このH⁺は、プロトン勾配を駆動力とするトランスポーターの吸収に関与しています。

 

非撹拌水層を考慮に入れた薬物の吸収率

単純拡散により薬物が吸収される場合、脂溶性の増大に比例して薬物の吸収性も増大すると考えられるが、実際はそのようにはなりません。理由は、脂溶性が高くなると非撹拌水層内での拡散が律速段階となるためです。
非撹拌水層を考慮した吸収率
薬物が水溶性か脂溶性かで、律速段階の条件が異なります。脂溶性が高いと非撹拌水層での拡散が律速となります。水溶性が高いと膜透過性が悪くなり、膜透過律速となります。
吸収率を表に表すと上のようになります。

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 非拡散水層の影響
  • 一次性能動輸送と二次性能動輸送
  • 薬物によって律速段階が変わる
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