生体側の消化管吸収に及ぼす諸要因(胃内容排泄速度(GER)など)

生体側の消化管吸収に及ぼす要因

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①消化管内のpH

消化管内のpHにより薬物の解離度(イオン型、分子型)が変化し、吸収性も変化します。

 

②分泌液(胆汁など)

胆汁中には、胆汁酸塩(界面活性作用をもっている)が存在し、生体膜を可溶化したり、薬物の溶解度を増大させ、吸収を改善します(グリセオフルビンの溶解性改善など)。しかし、ミセルまで形成してしまうと、吸収は抑制されてしまいます。

 

参考)ミセル形成により吸収が抑制される理由
難吸収性薬物の場合、膜の可溶化作用により吸収は増大します。しかし、易吸収性薬物(脂溶性薬物)の場合は、ミセルの形成により吸収が低下してしまいます(ミセルの外側は水溶性基のため)。

 

③胃内容排泄速度(GER)

経口投与した場合に、薬物が胃を通過して小腸に移動する速度のことを言います。

GERを増大させる因子

GERを低下させる因子

絶食

甲状腺機能亢進

メトクロプラミド

食事

甲状腺機能低下

糖尿病

抗コリン薬(アトロピン、プロパンテリンなど)

三環系抗うつ薬(イミプラミン)

麻薬性鎮痛薬(モルヒネ)

一般的に、受動輸送で吸収される薬物の吸収速度は、GERが遅れると低下しますが、能動輸送されるリボフラビンやシアノコバラミンなどの吸収速度は増加します。これは、GERが遅れた方が薬物の輸送担体が飽和しないためと考えられています。

 

④血流

薬物の吸収は、血流速度に依存しています。特に膜透過性の高い物質の場合、血流の影響を受けやすい傾向にあります。
例)ジギトキシンなど

 

⑤薬物排出輸送タンパク質(P糖タンパク質)

一度吸収された薬物を、再び管腔側(消化管側)へ排出する輸送タンパク質が存在することが知られています。P糖タンパク質はその代表例です。

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 胆汁酸の作用について
  • GERを増大させる因子、低下させる因子
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