主な大気汚染物質、その推移と発生源

主な大気汚染物質、その推移と発生源

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硫黄酸化物(SOx)

固定発生源(工場)で、石炭や重油などの燃焼によって、燃料中の硫黄が酸化されることで発生します。排煙脱硫装置の普及によって著しい改善がみられます。(環境基準達成率は、ほぼ100%)
測定方法としては、溶液導電率法、トリエタノールアミン・パラロザニリン法があります。

 

溶液導電率法

SOxやSO2に過酸化水素水を加えることで硫酸を生成します。この硫酸ができた水に電気を通し、導電率の上昇を測定します。

 

 

窒素酸化物(NOx)

ほとんどの燃焼装置(移動発生源(車)、固定発生源(工場))から発生します。空気中の窒素が加熱によって酸化するサーマルNOx燃料中の窒素化合物が酸化されてできるフューエルNOxがあります。(大部分はサーマルNOx)

 

自動車NOx・PM法により環境基準達成率は、ほぼ100%。測定方法は、ザルツマン法があります。

 

ザルツマン法

ザルツマン試薬はNO2と反応し、ジアゾ化が起きることでアゾ色素(赤)ができるため、それを測定します。
(NOはザルツマン試薬と反応しないため、KMnO4でNOを酸化してNO2にしてから反応させます。)

 

 

ここでSOxとNOxをの違いについて見ておきます。

 

 

発生源
SOx:固定発生源(工場) → 燃料中の硫黄成分から発生
NOx:移動発生源(車)、固定発生源(工場) → 空気中の窒素(サーマルNOx)>燃料(フューエルNOx)

 

影響
水溶性がSOx > NOxであることが、毒性の違いに関係しています。

 

SOxを吸い込んだとき、SOxは水溶性が高いため、喉の痰や鼻水などに溶け込みます。そのため喘息のような症状が出てきます(四日市喘息)。また、水溶性が高いことから、植物への影響も高いです(植物が多く水分を含んでいるため)。さらに、硫酸ミストと二酸化硫黄を比べたとき、硫酸ミストの方が呼吸器系への影響が大きいです。

 

NOxを吸い込んだとき、NOxは水溶性が低いため肺まで達し、肺障害が起きてきます。

 

 

一酸化炭素(CO)

発生源として、燃料の不完全燃焼で発生します。また、自動車のアイドリング時や低速走行などでも発生します。
環境基準達成率は、自動車の排出ガスの規制などによって改善傾向です。
測定方法は赤外線吸収法(非分散型赤外線吸収装置)、検知管法などが用いられます。

 

 

浮遊粒子状物質(SPM)

大気中に浮遊している物質で、粒子の大きさが10μm以下のものをPM10 といいます。また、2.5μm以下のものは微小粒子状物質(PM2.5)といいます。

 

粒子状物質には、その形や大きさから3つに分類されます。
ヒューム : 固体、0.1~1.0μm 最も粒径が小さい
ミスト : 液体、0.5~30μm
ダスト : 固体、1~150μm

 

環境基準達成率は、自動車NOx・PM法などによって改善傾向です。
ただし、PM2.5については、環境基準達成率が30-40%であり、達成率がよくありません。
測定方法は、重量法(ボリュームエアーサンプラーを用いる)、散乱光法、β線吸収法があります。

 

光化学オキシダント

不飽和炭化水素や揮発性有機化合物(VOC)が存在している中、太陽光(紫外線)が当たることによって、窒素酸化物から生成されるオゾンやPAN、過酸化物など強い酸化力をもった物質のことを光化学オキシダントといいます。
環境基準達成率は、ほぼ0%であり、達成率は極めて低いです。
測定方法は中性ヨウ化カリウム法を用います。

 

 

捕捉
NOx、HC(炭化水素:自動車などより発生)、VOC(揮発性有機化合物:トルエン、キシレンなど)などにUBAが当たると、オゾン(90%)、PAN、ラジカルなどができ、これを光化学オキシダントといいます。

 

+αの内容ですが、光化学オキシダントの測定方法は?と問われた場合多くの人が「中性ヨウ化カリウム法」と答えられると思います。
しかし、オゾンの測定方法は?と問われた場合、答えられるでしょうか??

 

 

答えは、中性ヨウ化カリウム法ですよね。先ほど学んだ通りオゾン、PAN、ラジカルなどが光化学オキシダントであるので当たり前ですよね。
しかし、答えられない人が結構いたりします。問われ方が少し変わっただけなのですが、このような問題もしっかり考えられるようにしましょう。

 

参考)SOx、COは光化学オキシダントの生成に関与しない。

 

 

 

最後に、環境基準達成率についてまとめておきます。
多くのもの(NOx、SOx、CO、PM10)は、達成率90%以上です。

 

しかし、注意するものとして2つあります。
PM2.5は30-40%の達成率。光化学オキシダントは0.1%の達成率であり、低いということを覚えておきましょう。

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 大気汚染物質の発生源
  • 大気汚染物質の測定方法
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