【薬学がわかる】変異原性試験(Ames(エームス)試験など)の原理と実施法

変異原性試験(Ames(エームス)試験など)の原理と実施法

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Ames(エームス)試験

Ames(エームス)試験は、化学物質の変異原性を検出するための試験方法で、発癌イニシエーターのスクリーニング法として実施されます。

 

使用する菌

使用する菌は、ネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)の変異株で、ヒスチジン合成能がないヒスチジン要求性(his-)のTA株を使用します。
例)
Salmonella Typhimurium TA98株 フレームシフト型の突然変異を検出することができる
Salmonella Typhimurium TA100株塩基対置換型の突然変異を検出することができる

 

原理

ヒスチジンがなければ生きることが出来ない菌を用いています。化学物質に変異原性が無ければ、菌は増殖しないはずです。

 

しかし、化学物質に変異原性がある場合、ヒスチジンがなければ生きることができない菌が、突然変異することで、ヒスチジンがなくても生きることができるようになります。

 

この突然変異がどれくらい起こっているかを調べることで、その化学物質の変異原性の有無がわかります。
判定方法としては、培地のコロニーが増加していれば、変異原性あり。変化なしの場合であれば、変異原性なしと判断します。

 

その他の事項

調べたい化学物質だけでなく、その化学物質の活性代謝物にも変異原性があるかどうか調べるために、S9mixというものを用います。
S9mixは、ラット肝ホモジネートの9000 ×g上清にNADPH生成系を加えて調整したものです。S9mixを加えることで、調べたい化学物質を代謝的活性化させることができます。

 

 

下の図を見ながら、理解してください。
変異原性があるかどうか調べたい化学物質Aがあるとします。

 

①化学物質Aに変異原性がある場合、ヒスチジン合成能がないヒスチジン要求性(his-)のTA株が、ヒスチジン非要求性(his+)に変化してヒスチジンが無くても生きていけるようになります。その結果、コロニー数は増加していきます。

 

化学物質Aに変異原性がない場合は、(his-)のままでコロニー数は変化ありません。

 

 

②化学物質Aの活性代謝物にも変異原性があるかどうか調べたいときは、S9mixを加えます。そうすることで、化学物質Aの活性代謝物が得られます。
そして、化学物質Aの活性代謝物に変異原性がある場合、ヒスチジン合成能がないヒスチジン要求性(his-)のTA株が、ヒスチジン非要求性(his+)に変化してヒスチジンが無くても生きていけるようになります。その結果、コロニー数は増加していきます。

 

化学物質Aの活性代謝物に変異原性がない場合は、(his-)のままでコロニー数は変化ありません。

 

エイムス試験

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • Ames(エームス)試験を行うことでわかることは?
  • 使用する菌株は?(どんな種類があるかも確認)
  • Ames(エームス)試験の原理について
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