【薬学がわかる】第Ⅱ相反応(抱合反応)とは?グルクロン酸抱合・硫酸抱合・アミノ酸抱合・アセチル抱合・グルタチオン抱合について

第Ⅱ相反応(抱合反応)

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第Ⅰ相反応では酸化、還元、加水分解によって少し水溶性を上げました。
第Ⅱ相反応では、それに水がくっつく(抱合反応)ことでさらに水溶性を上げていきます。
このときくっつく水のことを供与体といい、できた物質を抱合体といいます。

 

この後にそれぞれの抱合反応を見ていきますが、その前に前知識としてまとめておきます。

 

①官能基による抱合の違い
第Ⅰ相反応でどのような官能基がついているかによって、どの抱合反応が起きやすいかが変わってきます。

 

異物に-OH、-NH2がくっついている場合は硫酸抱合やアセチル抱合が起きます。
異物に-COOHがくっついている場合は、アミノ酸抱合が起きます。
グルクロン酸抱合は-OH、-NH2、-COOHのどれがついていようと抱合反応が起こります。
また、少し変わったものもいて、異物にエポキシドやハロゲンがくっついている場合にはグルタチオン抱合が起こります。

 

 

②供与体による違い
○○抱合と言われたら、○○が異物とくっつくんだと理解してください。グルクロン酸抱合と言われたら、グルクロン酸が異物とくっつく。硫酸抱合と言われたら硫酸が異物とくっつくという風に理解すればいいです。

 

 

先ほど説明した水にあたるのが、このグルクロン酸であったり、硫酸であったりするわけです。この水のことを供与体といいましたが、○○抱合の○○が供与体のもとになるのです。

 

 

ここで、さらに詳しく説明すると、異物と水(供与体)がくっつくためには活性化が必要になります。
なぜ活性化が必要かということを理解するために少しイメージを膨らませると、ここでの異物は第Ⅰ相反応で水溶性が上がっており、少し水っぽくなっています。しかし、逆に言うとまだ少し油っぽいということです。このままでは油っぽいため、異物に供与体がくっつこうとしても滑ってしまってくっつけません。そのため接着剤として働く活性化をすることによって、異物とくっつくことができるようになるのです。

 

グルクロン酸抱合

反応分画

小胞体(ミクロソーム画分)

主な異物

-OH、-NH2、-COOHなど第Ⅰ相反応で生成するような官能基

供与体

UDP-α-D-グルクロン酸

トランスフェラーゼ(転移酵素)

UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UDP-グルクロン酸転移酵素)

その他

ワルデン反転を伴いβ-グルクロニド(抱合体)を生成します。

新生児期は、成人に比べてグルクロン酸抱合活性が非常に低いです。

 

ポイント
グルクロン酸抱合で特に意識して理解しておくべき点は、立体構造です。
つまり、何が言いたいかというと、抱合反応が起きるとき、UDP-α-D-グルクロン酸(供与体)が異物とくっついてグルクロニド(抱合体)となります。
このとき、UDP-α-D-グルクロン酸(供与体)はα体ですが、反応後のグルクロニド(抱合体)はβ体になっているということをしっかり覚えておきましょう。

 

また、余力のある人はどのようにしてUDP-α-D-グルクロン酸がつくられるのかも知っておきましょう。
先ほどイメージでお話しした時は、グルクロン酸が活性化してUDP-α-D-グルクロン酸になるような感じを受けたかもしれませんが、これはわかりやすく説明しようとしたためで、本当は違います。正確には、グルコース-1-リン酸からUDP-α-D-グルクロン酸が作られてくるのです。

 

硫酸抱合

反応分画

細胞質(可溶性画分)

主な異物

-OH、-NH2などの官能基

供与体

活性硫酸(3’-ホスホアデノシン-5’-ホスホスルフェート:PAPS)
無機硫酸から2ATPから酵素的な反応で合成されます

トランスフェラーゼ(転移酵素)

スルホトランスフェラーゼ(硫酸転移酵素)

 

アミノ酸抱合

反応分画

ミトコンドリア(画分)

主な異物

カルボキシ基

供与体

アミノ酸(グリシンとグルタミン)

トランスフェラーゼ(転移酵素)

アシルCoA

その他

異物が(基質)のカルボキシ基がCoAと結合して活性化した後に抱合を受けます。
トルエン(シンナーの主成分)は、安息香酸を経て馬尿酸(グリシン抱合体)として尿中に排泄される。

 

アセチル抱合

反応分画

細胞質(可溶性画分)

主な異物

-OH、-NH2

供与体

アセチルCoA

トランスフェラーゼ(転移酵素)

アセチルトランスフェラーゼ

その他

イソニアジドのN-アセチル化など、遺伝的多型が知られています。

 

グルタチオン抱合

反応分画

細胞質(可溶性画分)

主な異物

エポキシド、ハロゲン、ニトロ基などの電子吸引基を持つもの(その電子密度の低い部分にグルタチオンが反応する)

供与体

グルタチオン抱合(メルカプツール酸の生成)

トランスフェラーゼ(転移酵素)

グルタチオン S-トランスフェラーゼ

その他

グルタチオンのシステイン(SH)基を介して異物に結合します。

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 各抱合反応は、どのような官能基があると起こりやすいのか?
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