【薬学がわかる】シトクロムP450とは?関与する主な代謝反応(第Ⅰ相反応)について確認しよう!

シトクロムP450(第Ⅰ相反応)

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まず初めに確認しておきますが、シトクロムP450は酵素です。
意外とシトクロムP450って何ですかと聞いても、酵素だとわかっていない人が多いので、まずはそれを知っておきましょう。

 

シトクロムP450ってどんな酵素?

 

シトクロムP450とは、異物に酸素原子を1つくっつける働きがある酵素であるということ。酵素はタンパク質であるので、どんなタンパク質かというと、鉄を持ったヘムタンパク質であるという2点をおさえておきましょう。

 

まとめると、
①一酸素原子添加反応を触媒する(モノオキシゲナーゼ)。つまりは、異物に酸素原子を一つ結合させる。
②ヘムタンパク質の一種。

 

 

次に、異物に酸素原子を1つくっつける働きがある酵素といいましたが、どのようにくっつけているのか見ていきます。

 

酸素原子を1つくっつけるといいましたが、P450自体は酸素原子を持っていません。そこで、一つ酸素原子を他からもらってくる必要があります。他のところから、酸素分子一つくださいなといって酸素分子をもらってきた後は、異物に対してその酸素原子をくっつけます。

 

このように、P450には酸素分子をもらってくるという一面と、酸素原子をくっつけるという一面の2つの性格があることをまず理解しましょう。

 

P450にはヘム鉄がありFe2+とFe3+の形があります。
この酸素分子をもらってくる方がFe2+であり、還元型のP450と定義しました。
異物に酸素原子をくっつける方がFe3+であり、酸化型のP450と定義しました。

 

もう少し正確に言うと、P450自身が一度異物と結合してから、そのあと異物に酸素原子をくっつけます。

 

Fe2+(還元型):酸素分子をもらってくる
Fe3+(酸化型):異物と結合し、酸素原子をくっつける

 

このような過程があり、酸化反応が起こっているのです。

 

シトクロムP450

P450の働きを邪魔するもの

それは一酸化炭素です。一酸化炭素は酸素分子よりもP450と結合しやすく、結合するとP450の働きは失われます(失活)。このとき、450nmに吸収極大を示す色素(Pigment)を示すことからP450と名づけられました。

 

 

シトクロムP450の関与する主な代謝反応

酸化反応(主な反応)

先ほど酸素原子をくっつける過程を見ていきましたが、次はどのような反応によって起こっていくのかを見ていきましょう。
①脱アルキル化 ②エポキシ化 ③N-水酸化 ④脱硫反応 の大きく4つの反応があります。

 

ここで注目してみていくべき点は、どんな化合物がどのような反応を受けるのかというところをしっかり見ていきましょう。

 
①脱アルキル化

これは文字通り、アルキル基が取れていく反応です。
この反応を見ていくにあたり、ヘテロ原子という言葉を理解しておく必要があります。

 

炭素は手が4本、水素は手が一本、窒素は手が3本、酸素は手が2本出ているように構造式を書くことができます。この中でヘテロ原子はどれでしょうか?

 

簡単に言うと炭素以外の手が2本以上ある原子のことを言います。つまり、窒素と酸素です。これとこの脱アルキル化がどのように関係しているかというと、ヘテロ原子の横の炭素に酸化が起こりやすいという法則があります。

 

この酸化が起こった結果、ヘテロ原子に結合しているアルキル基が脱アルキル化されます。
このときポイントになるのが、ヘテロ原子の隣にくっついている炭素数と同じだけの炭素を持ったアルデヒドが生成されてくるということです。

 

少し例を挙げます。
フェニルメチルエーテル → フェノール + ホルムアルデヒド
メタンフェタミン → アンフェタミン + ホルムアルデヒド
このように、アルキル基と同じ炭素数のアルデヒドが生成されてきます。

 

 

②エポキシ化

オレフィンや芳香環の炭素間の二重結合は、シトクロムP450による酸化を受けやすく、エポキシドを生成します。
代表的なものは、塩化ビニル、スチレン、トリクロロエチレン、ベンゾ〔a〕ピレン、アフラトキシンBなどがあります。

 

 

③N-水酸化

アミン類の窒素原子(N)に酸素が導入されるとN-水酸化体ができます。第一級、第二級アミンからヒドロキシルアミンができてきます。
2-ナフチルアミン、2-アミノフルオレン、Trp-P-1、などのヘテロサイクリックアミンなどがあります。

 

 

④脱硫反応

パラチオンなどの有機リン剤がこの反応によって代謝されます。
チオリン酸エステル型(チオン型:P=S)がリン酸エステル型(オクソン型:P=O)に代謝されると毒性が発現します。

 

まとめ
脱アルキル化              →   アルデヒド生成
エポキシ化(二重結合、環構造)       →      エポキシド生成
N-水酸化(~アミン、~アミノ~)       →        ヒドロキシルアミン生成
脱硫反応(~チオン、有機リン剤)           →        オクソン体生成

 

 

ここまでの説明でP450は酸化反応を担っているんだというイメージが出来上がっていると思いますが、実は還元反応もあるということを知っておいてください。

 

 

還元反応

脱ハロゲン化

四塩化炭素は、嫌気的な条件下でP450によってトリクロロメチルラジカルとなり、小胞体膜上でのタンパク質の生合成を阻害することで、肝障害を引き起こします。

 

 

シトクロムP450の関与しない第Ⅰ相反応

酸化反応

①ADH (アルコールデヒドロゲナーゼ)やALDH(アルデヒドデヒドロゲナーゼ)による酸化
お酒(アルコール)を代謝する際に用いられる酵素です。

 

②FMO(フラビン含有モノオキシゲナーゼ)
N-水酸化の第三級アミンの反応を触媒します。第一級、第二級はP450が関与する。

 

③MAO(モノアミンオキシゲナーゼ)

 

 

還元反応

ニトロ基、アゾ基の還元など

 

 

加水分解

①エポキシドヒドロラーゼによるエポキシドの加水分解など
②コリンエステラーゼやカルボキシエステラーゼによるエステル、アミドの加水分解

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • シトクロムP450とは?
  • シトクロムP450の関与する主な代謝反応
  • シトクロムP450の関与しない第Ⅰ相反応
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