【薬学がわかる】無機質(ミネラル):準主要元素と必須微量元素について

無機質(ミネラル):準主要元素と必須微量元素について

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無機質(ミネラル)とは?

人体を構成している元素のうち、C、H、O、Nだけで全体の96%を占めており、これらを主要元素といいます。
また、体内に10g以上存在し、1日に100mg以上必要とされる元素7種類を準主要元素といいます。

 

一方、生体に微量に存在している元素で、イオン化傾向が大きく、生体内でイオンとして存在している元素が無機質(ミネラル)です。その中でも、微量で有効なものを必須微量元素といいます。

 

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準主要元素について

①Ca(カルシウム)
Ca(カルシウム)の機能

約99%はハイドロキシアパタイトとして、骨を形成しています。つまり、骨は生体内のCaを大量に保持していることから、Caの生体内貯蔵部位として見ることができます。残りは、組織細胞内や体液中に存在しており、血液凝固や筋収縮に重要な役割があります。

 

Ca(カルシウム)の特徴
Caは、胃酸による酸性下で可溶性となり、腸管上部で吸収されます。活性型ビタミンDや胆汁酸は、Caの吸収を促進します。また、牛乳に含まれるカゼインカルシウムは、吸収されやすいCaであることが知られています。一方、食品中に含まれるフィチン酸やシュウ酸は、Caと不溶性の塩を形成するため、Caの吸収を阻害してしまいます。

 

②P(リン)

P(リン)の機能
生体内の約90%はカルシウムと結合して、ハイドロキシアパタイト、リン酸カルシウム塩として存在しています。Pは様々な食品に含まれており、摂取したPの約60%が吸収されます。

 

P(リン)の特徴
Pを過剰に摂取してしまうと、Caの吸収を阻害してしまうため、CaとPの摂取比は1:1がよいとされています。

 

③Na(ナトリウム)

Na(ナトリウム)の機能
約40%は細胞外液に存在しており、体液の主要陽イオン、浸透圧維持、血液のpH調節などに関わっています。

 

Na(ナトリウム)の特徴
過剰なNa摂取は高血圧のリスク要因となることから、一日当たりの食塩摂取量は、成人男性で9g未満、女性で7.5g未満がよいとされています。

 

④K(カリウム)

K(カリウム)の機能
細胞内の主要陽イオンとして存在しており、Naと同様に浸透圧維持、血液のpH調節などに関わっています。

 

K(カリウム)の特徴
Kの摂取量を増やしてもNaの排出量は変化しませんが、Naの摂取量を増やすとNaと共にKの排出量も増えることが知られています。そのため、一般的にNaとKの摂取比は2以下が適正とされています。

 

⑤Cl(塩素)

Cl(塩素)の機能
塩素は食事中のNaClとして摂取し、浸透圧維持、血液のpH調節などに関わっています。

 

⑥Mg(マグネシウム)

Mg(マグネシウム)の機能
300種類以上の酵素の補酵素として関与しています。Mgの不足や摂り過ぎはよくありませんが、植物性の食品に多く含まれており、通常の食事において不足することはありません。

 

⑦S(硫黄)

S(硫黄)の機能
アミノ酸、CoA、ビオチンなどの成分です。多くの食品に含まれていることから、不足することはほとんどありません。

 

必須微量元素について

①Fe(鉄)

体内のFeの60-70%はヘモグロビン、20-30%は肝臓や脾臓のフェリチン、ヘモジデリンに貯蔵鉄として、3-5%は筋肉のミオグロビンに含まれています。Feの働きとしては、ヘモグロビンとして酸素運搬をしたり、シトクロム、カタラーゼなどのFe含有酵素の成分としてエネルギー代謝や酸化還元反応に関与しています。

 

食物中のFeのほとんどはFe³⁺(フェリ鉄)ですが、胃酸によってFe²⁺(フェロ鉄)に還元されて、小腸上部で吸収されます。Feの吸収率は食品によっても異なっています。植物の非ヘム鉄では数%ですが、ヘモグロビンなどのヘム鉄では20-30%が吸収されます。また非ヘム鉄(Fe³⁺)は、ビタミンCにより還元されることでFe²⁺となり、吸収が促進されます。

 

穀類に含まれるフィチン酸、茶のタンニンは、Feと不溶性の塩をつくるので、吸収率は低下します。また、Feの吸収は、生理的なFeの必要度によって腸管で調節を受けます。

 

②Cu(銅)

血漿中のCuの90-95%は、セルロプラスミンに強く結合し、細胞内では60%がメタロチオネインSOD(superoxide dismutase)と結合しています。Feと同様にヘモグロビン合成に必要です。(Cu欠乏によっても貧血は起こります。

 

③Zn(亜鉛)

Znは多くの酵素に存在しており、糖質、脂質、タンパク質の代謝や中枢神経機能、舌や鼻腔粘膜の味覚・臭覚受容体の機能に関与しています。欠乏による味覚障害、皮膚障害が知られています。

 

④I(ヨウ素)

生体内のIの70-80%は甲状腺に存在しています。海水にI(ヨウ素)が多く、海産物にはその含量が多いです。

 

世界的には、I(ヨウ素)は不足が起こりやすく、不足により甲状腺腫を引き起こします。しかし、日本では海産物を摂取する機会が多いため、過剰摂取による甲状腺腫や甲状腺機能亢進症が報告されています。

 

⑤Mn(マンガン)

骨成分のムコ多糖合成に関与するグルコシルトランスフェラーゼ、SOD、ピルビン酸カルボキシラーゼなどの成分です。そのため、Mn不足になると骨異常(軟骨代謝などに支障)が現れます。

 

⑥Se(セレン)

抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼの活性中心です。生体を酸化ストレスから守ります。

 

⑦Cr(クロル)

糖代謝、脂質代謝に必須で、Cr³⁺の不足によって耐糖能が低下します。

 

⑧Mo(モリブデン)

含有する酵素としては、キサンチンオキシダーゼ(プリン塩基の代謝に作用)などがあります。

 

⑨F(フッ素)

生体内のFの95%は、歯と骨のエナメル質にフッ化カルシウムとして存在しており、骨の石灰化、エナメル質のミネラル化を促進します。欠乏症としては虫歯、過剰症としては斑状歯が現れます。

 

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 準主要元素の種類とそれぞれの役割について
  • 必須微量元素の種類とそれぞれの役割について
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