【薬学がわかる】化学物質の毒性を評価する主な試験法

化学物質の毒性を評価する主な試験法

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

毒性試験

毒性試験は、大きく分けて一般毒性試験特殊毒性試験があります。

 

①一般毒性試験 : 被験物質の毒性全般を知る目的で行う。

 単回投与毒性試験(急性毒性試験)
 動物に被験物質を一回投与して、その後に現れる症状(毒性)を観察します。これによって、半数致死量(LD50)を求めることができます。半数致死量(LD50)とは、被験物質を投与した動物が50%死ぬのに必要な量のことです。

 

 反復投与毒性試験(慢性毒性試験)
 動物に被験物質を反復投与して、毒性の発現を用量と時間の観点から調べる試験のことです。この試験で有害作用がみられなかった最大用量を無毒性量(NOAEL)として求めることができます。慢性毒性試験は6~12カ月以上にわたって行います。

 

②特殊毒性試験:被験物質の特定の有害作用に注目して行われる。

 生殖・発生毒性試験(催奇形性試験、生殖試験、繁殖試験)
 被検物質を雄と雌の両方に投与して、生殖能力への影響を調べます。また、妊娠、出産、授乳などへの影響や生まれてきた子供への影響として、胎児死亡率、発育状態、奇形の発生確率などの影響を調べます。

 

 発癌性試験(癌原性試験)
 被験物質を動物に対して、その一生涯にわたって投与することで腫瘍の発現を調べます。
この試験は、変異原性試験などのスクリーニング試験から発癌性の可能性のあるものや、ヒトに対して長期間暴露する可能性がある物質などに対して行われます。

 

  遺伝子毒性試験(変異原性試験)
 この試験の代表的なものにAmes試験があります。これによって、DNAに変異を起こす可能性のある物質をスクリーニングすることができます。

 

毒性評価に必要な指標・化学物質の安全摂取量

無毒性量(NOAEL)

 慢性毒性試験で、動物に対して被験物質を投与しても有害な反応を起こさない一日当たりの最大用量を無毒性量(NOAEL)といい、用量-反応曲線から求めることができます。

 

一日許容摂取量(ADI)

 食品添加物や環境汚染物質などは、ヒトが日々の生活の中で摂取し続けるものです。このような物質は、長期間摂取し続け体内に蓄積して毒性を発現する可能性があります。そこで、このような物質に対して、一日許容摂取量(ADI)または耐容一日摂取量(TDI)が設定されます。

 

一日許容摂取量(ADI)の定義は、ヒトが一生涯摂取し続けても毒性などの影響が認められないと考えられる一日当たりの量です。

 

ADIとTDIの違いについて

 ADIは、食品添加物など意図的に生成された化学物質に対して用いられます。
 TDIは、ダイオキシンなどの非意図的に生成した化学物質に対して用いられます。

 

計算方法

ADI(mg/kg体重/日)= NOAEL÷安全係数(通常100)
 安全係数は通常100を用いますが、これは動物とヒトとの種差を10倍、ヒトにおける個体差を10倍考慮したもので、これらより安全係数100としています。

 

実質安全量(VSD)

 たばこなどの発癌性物質には閾値がないと考えられていて、ADIが設定できません。このような物質では安全性を評価することができません。そこで、この物質を一生摂取し続けても発癌性がある一定確率以下を示すような場合に、実質安全量(VSD)が求められます。

 

このページで確認しておくことのまとめ

  • 一般毒性試験
  • 特殊毒性試験
  • 無毒性量(NOAEL)
  • 一日許容摂取量(ADI)
  • 実質安全量(VSD)
Sponsored Link
Sponsored Link

Sponsored Link

関連ページ一覧

毒性試験毒性試験は、大きく分けて一般毒性試験と特殊毒性試験が...

ジメルカプロール

有害金属これからは、多くの金属(水銀や鉛など)の毒性について...

 このエントリーをはてなブックマークに追加 
Sponsored Link
Sponsored Link

Sponsored Link